国内

稲田防衛相 弁護士のくせに自己弁護がヘタすぎる理由

森友学園問題で稲田防衛大臣も窮地に…

 経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、国会で厳しい追及を受ける稲田防衛大臣の心理状態を分析。

 * * *
 稲田朋美防衛相が「記憶に基づいた答弁」で謝罪した。これまでにも度々、大臣としての資質に欠けるのではと言われてきた稲田氏。今度は、学校法人「森友学園」問題に絡み、野党から「虚偽答弁だ」と追及を受けている。

 13日の参院予算委員会では、「森友学園」の法律相談や訴訟への関与を問われながらも、「裁判に行ったこともない」と語気を荒らげて断言。ところが2004年の民事訴訟の口頭弁論に代理人弁護士として出廷した記録が出てきた途端、翌日には事実確認できたとして「訂正し、お詫びする」と答弁を撤回、謝罪したのだ。

「断定する前になぜ、確認しなかったのか」

 謝罪する稲田氏に野党が何度もぶつけた質問だが、13日の衆院予算委員会での民進党、小川敏夫議員とのやり取りを見てみると、こう問いたくなる野党の気持ちもわかる。

 追い詰める小川氏に反論する稲田氏。この質疑応答は、そこらへんの法廷ドラマより断然面白い。何が面白いのかというと、2人は共に弁護士同士。証拠や発言の重要性を誰よりも熟知している、答弁や論争のプロのはずだからだ。

 弁護士である稲田氏の夫との共同法律事務所と森友学園との関係について、小川氏は何度も、同じような質問を繰り返した。その度に稲田氏は全面否定。答弁に立つごとに、手振りも大きく口調も荒くなっていく。答弁が終わってもすぐに席に戻らず、数秒間、演台の前に立っていたのは、憤りや腹立たしさが強くて気持ちがおさまらず、反論し足りないという意識があったためだろう。

 それでも小川氏は、冷静に言葉を換え証拠を小出しにしながら質問を続ける。だが、イライラしている稲田氏は、民事訴訟の具体的な年が提示されても、侮辱するなと言わんばかりに反論するだけで、包囲網が狭まったことに気がつかない。

 そのうち繰り返される質問に嫌気が差してきたのか、答弁が終わるとふてくされたように演台からブラン、ブランと手を放す。もう、こんなのやってらんない、そんな感じだ。

 ここまでの質問で、「確認する」と言えるチャンスは何度もあった。だが自分の記憶が正しいと思い込んでいる稲田氏は、そのまま暴走する。

 しかしついに、稲田氏が訴訟代理人になっている裁判資料が提出される。万事休す。

 普通ならここで白旗を上げ、確認するから時間をくれと口にするところなのだが…。それを見た稲田氏は、突撃よろしく突っ込んだのだ。さらに感情をあらわにし語気を強め、籠池氏の「顧問をやってもらった」という発言を「全くの虚偽だ」と言い切った。

関連キーワード

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト