ビジネス

例文全て「うんこ」だらけの漢字ドリルが生まれるまで

トイレで賢くなる?(写真:アフロ)

 問題の例文が全て「うんこ」ばかり、という小学生向け漢字ドリルが話題になっている。なぜそんなドリルを作ったのか。版元の出版社社長に聞いた。(取材・文=フリーライター・神田憲行)

 * * *
 ドリルの名前は「日本一楽しい漢字ドリル うんこ漢字ドリル」(文響社)。こんな例文だ。

《田んぼの どまん中で うんこを ひろった。》(小学1年生)

《刀の 先っぽに うんこを つけて たたかう 男。》(小2)

《このうんこからぜったいに目をはなさないでください。》(小3)

《みんなで少しずつ分たんして、うんこを持ち帰ろう》(小6)

 この調子で小学1年生から6年生まで3018の例文全てに「うんこ」が入る。同社HPでは「全例文でうんこの使用に成功!」と華々しく謳っているので、恐らく快挙なのだろう。

 企画と編集は同社の山本周嗣社長自ら手がけた。

「もともとどうやったら勉強が楽しくなるか、ずっと考えていたんです。それでいったん自分の小学生時代を思い出して、小学生男子の目線で考えてみたら、ああ、『うんこ』と『おちんちん』の話が大好きだったな、と」

 たしかに私もこの漢字ドリルの存在を知ったとき、まず想い浮かべたのが小学生時代の愛読書の漫画「トイレット博士」だった。小学生だったころは道端に落ちている犬のうんこを棒きれでつついたり、今から考えると信じられないくらいうんこに興味津々だった。

「それで以前からうちから本を出していて、趣味で『うんこ川柳』を作られている映像ディレクターの古屋雄作さんに相談したんです。例文は全部、彼が作ったものです。さすがです」

 さすがといって良いのか迷うが、異常な才能の持ち主であることは間違いない。

「とはいってもこれはあくまで漢字ドリルで、ギャグの本ではありません。小学生が勉強できなくては、意味が無い。そこでうちはドリルを作るのは初めてだったので、今まで漢字ドリルを作ったことがあるチームにも編集に加わってもらいました。ちゃんと新学習指導要領にも対応しています」

関連キーワード

関連記事

トピックス

山田和利・裕貴父子
山田裕貴の父、元中日・山田和利さんが死去 元同僚が明かす「息子のことを周囲に自慢して回らなかった理由」 口数が少なく「真面目で群れない人だった」の人物評
NEWSポストセブン
国内未承認の危険ドラッグ「エトミデート」が沖縄で蔓延している(時事通信フォト/TikTokより)
《沖縄で広がる“ゾンビタバコ”》「うつろな目、手足は痙攣し、奇声を上げ…」指定薬物「エトミデート」が若者に蔓延する深刻な実態「バイ(売買)の話が不良連中に回っていた」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
【美しい!と称賛】佳子さま “3着目のドットワンピ”に絶賛の声 モード誌スタイリストが解説「セブンティーズな着こなしで、万博と皇室の“歴史”を表現されたのでは」
NEWSポストセブン
8月27日早朝、谷本将志容疑者の居室で家宅捜索が行われた(右:共同通信)
《4畳半の居室に“2柱の位牌”》「300万円の自己破産を手伝った」谷本将司容疑者の勤務先社長が明かしていた“不可解な素顔”「飲みに行っても1次会で帰るタイプ」
NEWSポストセブン
騒動から2ヶ月が経ったが…(時事通信フォト)
《正直、ショックだよ》国分太一のコンプラ違反でTOKIO解散に長瀬智也が漏らしていたリアルな“本音”
NEWSポストセブン
ロシアで勾留中に死亡したウクライナ人フリージャーナリスト、ビクトリア・ロシチナさん(Facebook /時事通信フォト)
脳、眼球、咽頭が摘出、体重は20キロ台…“激しい拷問”受けたウクライナ人女性記者の葬儀を覆った“深い悲しみと怒り”「大行列ができ軍人が『ビクトリアに栄光あれ!』と…」
NEWSポストセブン
谷本容疑者(35)の地元を取材すると、ある暗い過去があることがわかった(共同通信)
「小学生時代は不登校気味」「1人でエアガンをバンバン撃っていた」“異常な思考”はいつ芽生えたのか…谷本将志容疑者の少年時代とは【神戸市・24歳女性刺殺】
NEWSポストセブン
大谷の「二刀流登板日」に私服で観戦した真美子さん(共同通信)
「私服姿の真美子さんが駆けつけて…」大谷翔平が妻を招いた「二刀流登板日」、インタビューに「今がキャリアの頂上」と語った“覚悟と焦燥”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚を発表した(左・Instagramより)
《お腹にそっと手を当てて》ひとり娘の趣里は区役所を訪れ…背中を押す水谷豊・伊藤蘭、育んできた3人家族の「絆」
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
《前科は懲役2年6か月執行猶予5年》「ストーカーだけでなく盗撮も…」「5回オートロックすり抜け」公判でも“相当悪質”と指摘された谷本将志容疑者の“首締め告白事件”の内幕
NEWSポストセブン
硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン