コラム

ドル、ユーロ、ポンド、豪ドル トランプ相場の注目ポイント

羊飼い氏が「トランプ相場」のFX戦略を解説

 カリスマFXトレーダー・羊飼い氏が、外為市場の旬な話題をウォッチする連載「FXトレンドフォーキャスト」。最近の為替相場は、金融政策以上に政治に振らされることも多い中、FX投資家がトランプ相場を乗り切るにはどうすればよいのか。羊飼い氏が解説する。

 * * *
 トレンドの方向に自信があったとしても、2017年相場の振れ幅は上下ともに相当大きくなりそうなので、資金管理とロスカットはいつも以上に慎重にしたい。2016年まではアメリカやEU、日本など各国の中央銀行が主導する金融政策が為替相場の一大テーマとして相場を動かしてきたが、「トランプ相場」以降は金融政策への反応が鈍くなっている。

 各国政治の影響力が増しており、時には金融政策以上に為替相場を動かすこともあるだろう。周知の通り、トランプ大統領は減税やインフラ投資を公約とする一方で自由貿易を阻もうとするなど、経済に与える影響が矛盾する政策を打ち出しており、市場は上にも下にも振らされやすい。

 為替に関してもドル安を志向しながらも、自国の強さを誇示するためのドル高誘導発言が飛び出すこともあるかもしれない。さらに2017年はフランスの大統領選と国民議会選挙、ドイツでも連邦議会選挙が行なわれる。EUを主導する2国の選挙結果やイギリスのEU離脱に向けた動きも、相場を大きく動かす要因になりそうだ。

 通貨ペアはやはり米ドル/円が手がけやすいが、時期によって注目が集まる通貨は異なる。わかりやすいトレンドが発生している通貨ペアに臨機応変に乗り換えるのもいいだろう。欧州選挙の時期ならユーロ、イギリスのEU離脱に向けた動きが出たときにはポンド、これまで値動きに乏しかった豪ドルもアメリカの利上げに敏感に反応するのでこれからはトレンドが出てくるかもしれない。

 難しい相場にあえて無理をして挑む必要はないが、投資スタイルや戦略を変えてみるという手もある。相場の変化に柔軟に対応できるかどうかが、トランプ相場を生き抜く鍵になってくるのかもしれない。

【PROFILE】「羊飼いのFX(外国為替)ブログ」(http://fxforex.seesaa.net/)が人気のカリスマトレーダー。2001年からFXを開始。「羊飼い」の由来は、高金利の豪ドル(通称・羊)を買って優雅に暮らそうと考えたことから。著書に『超ど素人が極めるFX』など。

マネーポスト2017年春号

関連記事

トピックス

中村芝翫の実家で、「別れた」はずのAさんの「誕生日会」が今年も開催された
「夜更けまで嬌声が…」中村芝翫、「別れた」愛人Aさんと“実家で誕生日パーティー”を開催…三田寛子をハラハラさせる「またくっついた疑惑」の実情
NEWSポストセブン
ロシアのプーチン大統領と面会した安倍昭恵夫人(時事通信/EPA=時事)
安倍昭恵夫人に「出馬待望論」が浮上するワケ 背景にある地元・山口と国政での「旧安倍派」の苦境
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《秘話》遠野なぎこさんの自宅に届いていた「たくさんのファンレター」元所属事務所の関係者はその光景に胸を痛め…45年の生涯を貫いた“信念”
週刊ポスト
政府備蓄米で作ったおにぎりを試食する江藤拓農林水産相(時事通信フォト)
《進次郎氏のほうが不評だった》江藤前農水相の地元で自民大敗の“本当の元凶”「小泉進次郎さんに比べたら、江藤さんの『コメ買ったことない』失言なんてかわいいもん」
週刊ポスト
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
水原一平の賭博スキャンダルを描くドラマが「実現間近」…大谷翔平サイドが恐れる「実名での映像化」、注目される「日本での公開可能性」
週刊ポスト
川崎、阿部、浅井、小林
女子ゴルフ「トリプルボギー不倫」に重大新局面 浅井咲希がレギュラーツアーに今季初出場で懸念される“ニアミス” 前年優勝者・川崎春花の出場判断にも注目集まる
NEWSポストセブン
6年ぶりに須崎御用邸を訪問された天皇ご一家(2025年8月、静岡県・下田市。撮影/JMPA)
天皇皇后両陛下と愛子さま、爽やかコーデの23年 6年ぶりの須崎御用邸はブルー&ホワイトの装い ご静養先の駅でのお姿から愛子さまのご成長をたどる 
女性セブン
「最高の総理」ランキング1位に選ばれた吉田茂氏(時事通信フォト)
《戦後80年》政治家・官僚・評論家が選ぶ「最高の総理」「最低の総理」ランキング 圧倒的に評価が高かったのは吉田茂氏、2位は田中角栄氏
週刊ポスト
コンサートでは歌唱当時の衣装、振り付けを再現
南野陽子デビュー40周年記念ツアー初日に密着 当時の衣装と振り付けを再現「初めて曲を聞いた当時の思い出を重ねながら見ていただけると嬉しいです」
週刊ポスト
”薬物密輸”の疑いで逮捕された君島かれん容疑者(本人SNSより)
《28歳ギャルダンサーに“ケタミン密輸”疑い》SNSフォロワー10万人超えの君島かれん容疑者が逮捕 吐露していた“過去の過ち”「ガンジャで捕まりたかったな…」
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
反論を続ける中居正広氏に“体調不良説” 関係者が「確認事項などで連絡してもなかなか反応が得られない」と明かす
週刊ポスト
スーパー「ライフ」製品が回収の騒動に発展(左は「ライフ」ホームページより、みぎはSNSより)
《全店舗で販売中止》「カビだらけで絶句…」スーパー「ライフ」自社ブランドのレトルトご飯「開封動画」が物議、本社が回答「念のため当該商品の販売を中止し、撤去いたしました」
NEWSポストセブン