コラム

松井咲子 トランプ大統領の名前の謎に迫る

松井咲子と松田邦夫さん

 ピアニストとしても活動する松井咲子が、セントラル短資FX代表取締役・松田邦夫さんからFXを学ぶこのシリーズ。今回取り上げるのは、今世界に大きな波紋を呼んでいるアメリカについてです。

◆卒業と旅立ちの季節に

松井:この企画も、シーズン1と合わせると8回目、最終回を迎えました。松田さんのおかげで、FXの知識も、大学では教わらない音楽のトリビアも、随分身に着いた気がします。今回はグランド・フィナーレですね。

松田:ちょうど卒業式の季節に最終回を迎えることができました。英語だと卒業式はコメンスメントで、「開始」と同じ意味ですね。松井さんも3月に音大を卒業されますが、新しく何かを始められるご予定は?

松井:AKB48を卒業してもう一度キャンパスに通い始めると、授業もレッスンも、あ、それに学食での食事なんかもすごく新鮮でした(笑)。これからはさらに幅の広いパーソナリティとして活躍して色々なお仕事ができるように頑張ります。

◆世界はさらに不確実な方向に向かう?

松井:4月からの新年度・新生活に向けて、「経済や市場の先行きをどう見ておけばいいのかな」と悩んでおられる方も多いと思います。昨年のイギリスの国民投票やアメリカの大統領選挙の結果をこぞって「予想外」、「番狂わせ」などと言われてしまうと、私たちは何を信じてよいのか分からなくなります。

松田:投資には情報収集が大事ですが、誤った先入観に乗っかるほど危険なことはありませんね。

松井:来年度は何に注目したらいいのでしょうか? 世界はどんどん内向きになっていくのでしょうか?

松田:この先しばらくは、ヨーロッパ大陸の政治イベントから目を離せないでしょう。まずオランダ、続いてフランス、ドイツで行われる重要な国政選挙の結果、自国優先、保護貿易、移民排斥などの動きがさらに強まると、世界経済の足かせになるリスクがあります。

 トランプ大統領の政策も、理念に基づくものというより、まず高めの球を投げておいて、その後の交渉でどれだけ実(じつ)を取るか、というビジネスのやり方を内政にも外交にも適用しようとしているように見えます。「不透明」、「不確実」を通り越して、「予測不能」性が世界を不安定にする懸念があります。

◆「アメリカ的」なもののルーツ

松井:民主主義、自由貿易の旗頭だったアメリカやイギリスが、経済統合にも移民政策にも急に後ろ向きになりつつあるのは気になります。

松田:彼らの多くも、これまでの成長や繁栄が「自由貿易と移民あってこそ」ということを頭では理解しつつも、選挙や国民投票では「でも、もうたくさんだ」との声が上回ってしまったということですね。トランプ氏だってお爺さんがドイツから渡ってきた移民で、そのわずか2代あとにこれだけの富と地位を築いた「アメリカン・ドリームの象徴」のような経歴なのは皮肉です。

松井:え、そうなんですか。トランプっていかにもアメリカ的な名前ですが。

松田:お爺さんはDrumpf(ドゥルムプフ)という、ドイツらしい名字だったそうですよ。余談ですが、アメリカの通貨の名前「ダラー(ドル)」も、今のチェコにあったヨアヒム谷で採れた銀で作った貨幣を「ヨアヒム『谷の』(ヨアヒムス『ターラー』)」銀貨と呼んでいたのが、「ターラー」の部分だけ独立して広くお金の単位として使われるようになったんです。

松井:えっ。ドルはアメリカが発祥で、それがカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、香港などでも使われるようになったとばかり思っていました。松田 200年ほど前に活躍したドイツの文豪ゲーテの手紙などを読んでも、当時はヨーロッパの各地でターラーが使われていたことが分かります。

マネーポスト2017年春号

関連キーワード

トピックス

生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
新宿・歌舞伎町で若者が集う「トー横」
虐待死の事例に「自死」追加で見えてきた“こどもの苛烈な環境” トー横の少女が経験した「父親からの虐待」
NEWSポストセブン
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン