いつの時代も働く人たちの一番身近にあり、その仕事を支えてきたパートナー、それが「仕事服」である。
色や形だけでなく、細部に至るまで凝らされた多くの工夫や秘密を探ってみた──。
立ち襟で丈が短く、肩でボタンを止める半袖タイプの白衣を「ケーシー型」という。1960年代にアメリカで大ヒットしたドラマ『ベン・ケーシー』の主人公が着ていたことから、こう呼ばれるようになった。
首元がVネックになっている「スクラブ」は、10年以上シリーズを重ねた人気ドラマ『ER緊急救命室』の登場人物たちが着ていることから広まったといわれている。生地が丈夫で、カラーバリエーションも豊富なのが特徴だ。
また、医師や薬剤師が着ているコートタイプの白衣には、前身頃がシングルのものとダブルのものがある。メディカルウェア大手のナガイレーベン、今井一誠氏がいう。
「東大病院はダブルの白衣を着る伝統があり、逆に京大病院がシングルというのが定説のようになっています。一般的な傾向でも、関西の病院はシングルを好む医師が多く、関東はダブルが多い」
※週刊ポスト2017年4月14日号