芸能

20代のアイドルと50代の男性ファン 金銭で「純度」保たれる

地下アイドルは卒業を迎えるがファンは卒業しない人が多い

 O.A.が告知されて以来、話題を集めていた『ザ・ノンフィクション その後の中年純情物語』(フジテレビ系)が4月2日に放送された。52歳で「カタモミ女子」という地下アイドルグループを知り、メンバーの「小泉りりあ」(りあちゃん、現・小泉りあ)のファンになった「きよちゃん」が、55歳になった今を追ったものだ。

 一般人を取り上げたドキュメンタリー番組が、今回のように放送前から注目を集めることはあまりない。ところが、地下アイドルファンの「きよちゃん」は特別な関心を集めていた。前作にあたる『中年純情物語~地下アイドルに恋して~』(2015年7月5日放送)放送後には、きよちゃんは単独で深夜のバラエティ番組にゲスト出演するなど、アイドル顔負けの人気を得ていたからだ。今回の放送後もやはり、ネットを中心に「かわいい」「イイハナシダナー」など好意的な反応が目立った。

「きよちゃんもりあちゃんも、素直で優しくて可愛かったですね」と話すのは、地下アイドルでライターの姫乃たまさんだ。そして、番組のなかでりあちゃんがきよちゃんのことを「心配」していた気持ちもよくわかるという。

「きよちゃんや、一緒にカタモミ女子を応援していたゴルフインストラクターのたかさんのように、高所得の独身男性が地下アイドルファンには多いんです。勢いがあるカルチャーとして売り出されているアイドルには若いファンが多いのですが、ものすごく売れているわけではないソロアイドルほど、30代以上の独身男性ファンが目立ちます。私がアイドル活動を始めた頃は30代~40代ファンが多かったのですが、8年後の今では50代に広がりました。私は辞めずに地下アイドルを続けていますが、ほとんどのアイドルは途中で卒業していきます。でも、ファンは卒業しないんです」

 55歳になったきよちゃんは、今もりあちゃんを応援するアイドルファンのままだ。大手通信会社で30年以上働き続け、模型、ボクシング、盆栽にゴルフと趣味も充実しているが、アイドルを応援することは格別らしい。前作では、りあちゃんの「カタモミ女子」卒業にあわせて「いつかは別れが来ると分かっていた」と涙ぐみながら話す姿で締めくくられていたが、今もりあちゃんの応援を続けている。

「アイドルファンを卒業できない、したくない気持ちは分からなくもないです。普通、大人の男の人は職業や社会的立場に関係なく、人とコミュニケーションをとれる場所がありません。でも、地下アイドルの現場では、ファン同士の関係がとてもフラットなんです。50代男性が、20代のりあちゃんからも、年下のファン仲間からも『きよちゃん』と呼んでもらえるような場所はほかにありません。

 それなら、キャバクラなどへ行って対価を払ってサービスを受ければよいと思うかもしれません。でも、キャバクラではお互いに目的が違うからぶつかり合い、願いを叶えてくれないという一方的な思いが募ります。でも、地下アイドルの現場では、お互いの気持ちにそれぞれの立場で応えようとする。だから、この場所から離れたくなくて、応援するアイドルが卒業しても、アイドルファンを卒業できない人が多いのでしょう」(姫乃さん)

 番組のなかで、55歳のきよちゃんが、30歳年下のりあちゃんに洋服を選んでもらっている様子が「まるでデートのよう」というナレーションつきで流れた。しかしその洋服選びは、りあちゃんが「アイドル店員」として月に1回勤務するショップで、きよちゃんが買い物をするお客さんになるからこそ得られるサービスのひとつだった。

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