国内

室内墓マンション利用者「普通の墓よりいい」ときっぱり

東京ドームにほど近い住宅街に建つ『小石川墓陵』

 お墓参りに行きたくても遠いし、時間がかかる。あるいは、子供に迷惑をかけたくない…そんな悩める人たちから今、注目を集めている自動搬送式の室内墓。誕生から十余年、驚くべきスピードで首都圏を中心に増え続けている。いまだ違和感を持つ人も多いそれは、今後ますます大きな潮流となるのだろうか。

 百聞は一見に如かず…ノンフィクションライターの井上理津子さんが、東京ドームにほど近い住宅外に建つ「小石川墓陵」の4階、「こんにゃくえんま」で知られる浄土宗の源覚寺の自動搬送式の室内墓を取材した。

 * * *
 墓石の前に立つと、目の高さの位置に、利用者の家名などを刻字した厨子(ずし)がセットされる。参拝スペースも、供花もお香も、他の利用者と共有だが、その中にいる間は「うちのお墓」となる。

 この仕組みは、従来の自動搬送式と同じだが、外の日差しが入り込み、何しろ明るい。私の目には「屋根のある外墓」と映った。室内の最新型が「外」に向かっているとは、皮肉なめぐり合わせだな…。

 最新といえば、壁面に設置された液晶画面もだ。「固定の写真だけでなく、スライドや動画も入ります」と株式会社はせがわ小石川営業所所長の柴田敦さん。ダミーを見せてもらうと、故人の思い出の写真の数々のほか、外墓に徐々に近づいていきアップになるように見えるスライドも入っていた。柴田さんはこう語る。

「改葬のかたには、それまでの先祖代々のお墓の写真を入れませんかとおすすめしています。“あのお墓から、このお墓につながって今があるんだね”という感覚を持てると好評です」

 この液晶画面には、閉じる前に「○○さんの○回忌は、×年×月です」などと回忌の予定年月が表示された。至れり尽くせりだ。締めて、おいくらか?

 一律90万円。外墓を買うよりも明らかに安い。参拝スペースは、テラスつきの4階のほか、3階と2階にもあり、合計14。(2階は4階・3階の約2倍の広さで、納骨時の専用)。基数(厨子の数)は6665基。昨年10月の販売開始から5か月間で、すでに約500基が売れたそうだ。

「文京区小石川という地はブランドですから、購入するかたは決め打ちで来られます。お骨を家にお持ちのかた、改葬希望のかた、寿陵…つまり生前に買われるかた。3パターンが多いですね」(柴田さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
クマ対策には様々な制約も(時事通信フォト)
《クマ対策に出動しても「撃てない」自衛隊》唯一の可能性は凶暴化&大量出没した際の“超法規的措置”としての防御出動 「警察官がライフルで駆除」も始動へ
週刊ポスト
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン