◆薬用成分はたくさん入っているほどいい?
各社のハミガキ剤が競い合う「薬用成分」は種類が多すぎて、どれに効果があるのか判断に悩む。
大半のハミガキ剤は「虫歯予防」か「歯周病予防」のどちらかに重点を置いているのはご存知だろうか。
「フッ素」は歯のエナメル質の再石灰化を促し、虫歯の発生と進行を抑制する効果が世界的にも認められている。ハイドロキシアパタイトも同様だ。
これまで日本はフッ素の配合量の上限を1000ppmに規制していたが、3月に厚労省が欧米並みの1500ppmに引き上げることを決定した。
歯周病対策としてプラークを分解・殺菌する薬用成分が、デキストラナーゼ、塩化セチルピリジニウム、トリクロサンなどだ。専門家の中では、バイオフィルムに浸透殺菌するとして、イソプロピルメチルフェノールが注目されている。
また歯周病の炎症や出血を抑制する成分として、トラネキサム酸、β-グリチルレチン酸、カミツレチンキなどがある。
ただし、薬用ハミガキの大半が発泡剤や研磨剤、清涼剤で占められ、薬用成分の配合量は限定的であることを頭に入れておきたい。
※週刊ポスト2017年4月14日号