芸能

有村架純の『ひよっこ』 視聴率の後伸びが期待できる理由

有村架純の「増量」も評判

 ドラマの視聴率は様々な要素が複雑に絡み合うだけに、特に放送開始直後はどちらに転ぶか判断が難しいことが多い。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が新しい朝ドラについて分析した。

 * * *
 4月3日にスタートしたNHK連続テレビ小説『ひよっこ』。前作『べっぴんさん』の後半が不評だった影響なのか、初回の視聴率は20%台に届かず。その後もなかなか数字が伸びない状況が続いています。

 けれど、『ひよっこ』の評判、次第に上がっていくのではないでしょうか。以下3つの点から可能性を感じます。「時代」「家族」「地域」の描き方において、前作との違いがはっきりと際立つからです。

●その1 「昭和の懐かしさ」徹底して絞りこんだテーマ性

 舞台は北関東・奥茨城村。時代は昭和39年、東京オリンピックの年。ヒロイン・谷田部みね子を演じるのは有村架純さん。女子高生のみね子は、いわゆる「金の卵」となって東京へ。高度経済成長期まっただ中の日本で、時代と格闘しながら「ひよっこ」の殻を破って生きていく……。

 聖火リレーにジェスチャーゲーム。鉄腕アトム、がちょーん、アジャパー。細かい点までいき届いた「昭和」の時代考証。登場人物たちの表情も昭和チックです。喜怒哀楽をまっすぐに出す。子供同士がじゃれあう。先生はゲンコツを落とす。これから大きく成長していく社会。希望が覆っていた昭和の明るさがよく伝わってきます。

 冒頭に流れる桑田佳祐の主題歌「若い広場」も心憎い仕掛け。歌謡曲全盛時の匂いがぷんぷん立ちのぼるメロディ。視聴者は一気に「昭和」の空気の中へ運びこまれる。

 この時期に青春を送った団塊世代は、800万人もいる分厚い層。そこへ届けば大きな反応が期待できる。いや、若い世代にも「昭和の懐かしさ」はウケるはず。今の時代は「懐かしいアナログ時代=新鮮」という構図が成り立つからです。

●その2 家族のキャラクター造形と人間関係

 前作は一人ひとりの表情や個性が乏しく、どんな人物か今ひとつ伝わってこなかった。しかし今作は対象的。支え合う家族の形がきっちりと描かれ、それぞれキャラクターの輪郭も、はっきりしている。キャスティングは父・実を沢村一樹、母・美代子を木村佳乃、祖父は古谷一行。

 その家族の中に、唐突に割って入る叔父の宗男。マッシュルームカットのすっとんきょうなオジサンが、いい味出しています。西洋文化に憧れ日本文化を捨てていく「軽薄」なあの時代の日本を、象徴しているようでもある。宗男を演じるのは「銀杏BOYZ」のミュージシャン・峯田和伸。

関連記事

トピックス

【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
日本初となる薬局で買える大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」
日本上陸の内臓脂肪減少薬「アライ」 脂肪分解酵素の働きを抑制、摂取した脂肪の約25%が体内に吸収されず、代わりに体内の脂肪を消費
週刊ポスト
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
専修大サッカー部を辞任していた源平監督(アフロスポーツ)
《「障害者かと思った」と暴言か》専修大サッカー部監督がパワハラ・経理不正疑惑で辞任していた 大学は「警察に相談している」と回答
NEWSポストセブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
日本製鉄によるUSスチールの買収計画
【日本製鉄のUSスチール買収問題】バイデンもトランプも否定的だが「選挙中の発言に一喜一憂すべきではない」元経産官僚が読み解く
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン