ライフ

【法律相談】演奏者が客席動画を公開 肖像権侵害になる?

ライブの観客側も肖像権を主張できるか

 インターネットの普及により、ミュージシャンが動画サイトに動画を投稿することは今や珍しくない。ただ、演奏者がステージ上から観客を撮影し、その動画をアップした場合、観客は削除を求めることができるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 ライブに行った際、あるピアノマンがスマホを客席にかざし、撮影したのです。後日、そのピアノマンのHPに私が映り込んだライブの模様が動画としてアップされており、削除を求めていますが、聞き入れてもらえません。これは肖像権の侵害だと思いますし、どうすれば削除してもらえるでしょうか。

【回答】
 人はみだりに自己の容貌等を撮影され、公表されない人格的権利(肖像権)を有しています。正当な理由なく容貌を撮影し、その写真を公表すると肖像権の侵害になり、侵害行為の差し止めや精神的苦痛に対する慰謝料の請求もされかねません。

 肖像の撮影や公表が許されるのは、本人の承諾がある場合のほか、本人の社会的地位、撮影された活動内容、撮影場所、撮影目的、撮影態様、撮影の必要性等を総合して、被撮影者の人格的利益の侵害が社会生活上、受忍の限度を超えないと判断される場合です。

 例えば、ニュースになるような大きなライブの場合、会場の様子を伝える情景の一要素として、観客の顔が一瞬大写しで放映されることは珍しくありません。主催者が撮影して、HP上に掲載されることもあります。

 こうしたライブでは、撮影されていることがわかりますから、映像が利用されることも予想されることです。特定の観客に焦点を当てた映像でなければ、承諾があるといえますし、明示的な承諾がなくても、受忍限度内と解されるケースが大半です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

2日間連続で同じブランドのイヤリングをお召しに(2025年5月20日・21日、撮影/JMPA)
《“完売”の人気ぶり》佳子さまが2日連続で着用された「5000円以下」美濃焼イヤリング  “眞子さんのセットアップ”と色を合わせる絶妙コーデも
NEWSポストセブン
石川県を訪問された愛子さま(2025年5月18日、時事通信フォト)
「バッグのファスナーをすべて開けて検査」愛子さま“つきまとい騒動”で能登訪問に漂っていた“緊張感”
NEWSポストセブン
逮捕された不動産投資会社「レーサム」創業者で元会長の田中剛容疑者
《無理やり口に…》レーサム元会長が開いた“薬物性接待パーティー”の中身、参加した国立女子大生への報酬は破格の「1日300万円」【違法薬物事件で逮捕】
週刊ポスト
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さんが第1子出産》小室圭さんが母・佳代さんから受け継ぐ“おふくろの味”は「マッシュポテト」 関係者が明かす“佳代さんの意外な料理歴”とは
NEWSポストセブン
群馬県草津町の黒岩信忠町長、町長からわいせつ被害を受けたという嘘の告訴をした元町議の新井祥子被告
「ずるずるずるずる、嘘を重ねてしまいました」…草津町長への“性被害でっち上げ” 元女性町議が裁判で語った“発言がどんどん変わった理由
NEWSポストセブン
打順もポジションも固定できずにいる(阿部慎之助監督)
巨人OB・広岡達朗氏、岡本和真の故障離脱は「アクシデントではなく阿部監督による人災です」 守備を固定できず失策数はリーグワーストに
週刊ポスト
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん明かす「バレーボール愛」と秘かに掲げていた「今年の目標」
NEWSポストセブン
西内まりやがSNSで芸能界引退を発表した(Aflo)
《電撃引退の真相》西内まりや、金銭トラブルの姉と“絶縁”していた…戸籍を抜き、母親とも別居に至った「深刻な事情」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚を発表した(左・Instagramより)
《RYOKI・三山凌輝が活動休止》結婚予定の趣里、父・水谷豊は“何があっても様々な選択ができるよう”新会社設立の親心
NEWSポストセブン
6月は“毎年絶好調”というデータも(時事通信フォト)
《ホームラン量産モードの大谷翔平》6月は“毎年絶好調”で「月間20本塁打」もあるか? 見えてくる「年間60本塁打」昨季を超える異次元記録
週刊ポスト
秋篠宮と眞子さん夫妻の距離感は(左・宮内庁提供、右・女性セブン)
「悠仁さまの成年式延期」は出産控えた姉・眞子さんへの配慮だった可能性「9月開催で眞子さんの“初里帰り”&秋篠宮ご夫妻と“初孫”の対面実現も」
NEWSポストセブン
性的パーティーを主催していたと見られるコムズ被告(Getty Images)
《フリーク・オフ衝撃の実態》「全身常にピカピカに」コムズ被告が女性に命じた“5分おきの全身ベビーオイル塗り直し”、性的人身売買裁判の行方は
NEWSポストセブン