ライフ

『ツルモク』著者 スマホ時代だから分かる共同生活の楽しさ

「ツルモク独身寮」の著者・窪之内英策氏

 バブル経済真っ盛りの1988年から1991年にかけて、『ビッグコミックスピリッツ』(小学館刊)に連載された大ヒット漫画『ツルモク独身寮』。

 高知の工業高校を卒業後、東京の郊外にある木工家具製作会社に就職した主人公が、会社の独身寮の住人たちと繰り広げる人間模様を描いたコメディだ。自身も寮生活の経験があるという著者・窪之内英策氏が、当時を振り返る。

 * * *
 1984年に高知県の工業高校を卒業した後、愛知県の大手家具メーカー・カリモク家具に就職。1年ちょっとの短い時間でしたが、独身寮で生活しました。『ツルモク独身寮』はその体験をもとに描いたんです。

〈1年余りの寮生活の後、夢だった漫画家になるために退社する〉

 寮に入ってからは机もなくて、なかなか漫画を描く機会がなかった。なので、自分のなかで「漫画を描きたい」という思いが溜まっていったんです。

 退職届を出したとき、当時の部長にはボロカスに言われました。「お前がなれるわけねぇだろ」「夢見る暇があったら仕事のひとつもできるようになれ」と。当時は「なんでそこまでいわれなきゃいけないんだ」と悲しい気持ちになりましたが、当時の部長と近い年齢になって “部長は親心で現実を見ろと言ってくれたんだ”と気付きました。

 当時は浮ついた若手社員も少なくなかったし、僕以外にも「役者になりたい」といって辞めていく10代の社員が多かったですから。

関連キーワード

関連記事

トピックス

谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン