国内

大前研一氏 「忖度」行政は我が国の文化に反する

昨今の「忖度ブーム」に大前氏が物申す

 今年を代表する流行語となりそうな「忖度(そんたく)」は、安倍晋三政権下の政治や行政に蔓延している。森友学園問題や、「道徳の教科書」でパン屋が和菓子屋に変更されたことなどに表れている。経営コンサルタントの大前研一氏が、日本の伝統文化がもつ本来の精神性について、実例を挙げながら忖度とは正反対の日本文化の精神性について解説する。

 * * *
 安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を唱え、本音では東京裁判やアメリカに押しつけられた現行憲法を否定している。ところが、アメリカの上下両院やハワイ・真珠湾での演説では「日本にとって、アメリカとの出会いとは、すなわち民主主義との遭遇でした」「和解の力」などとおべんちゃらを連発した。本音と建前が完全に乖離しているのである。

 そんな安倍首相の持論は、「美しい国」の復活だ。そして、安倍政権下の学習指導要領は「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」を養えと説いている。これでは“戦前回帰”を目指しているようにしか見えない。

 だが、そもそも日本固有の文化や生活とは何か?

 日本の伝統文化というものを考える上で、私がいつも思い出すのは台湾の故宮博物館である。あそこを訪れると、書画にしても陶芸にしても蒔絵にしても、日本の範はすべて中国にあると痛感せざるを得ないのだ。私が大好きな江戸中期の画家・伊藤若冲でさえ、もともとは中国の絵を模写することで、その腕を磨いている。それを京都・相国寺の展示で知った時は、私もがっかりしたものだ。

 しかし、裏を返せば、それらは日本人が進取の精神で海外の文化や技術を貪欲に取り入れてインターナライズ(内部化)し、さらに創意工夫を凝らしてオリジナルのものに進化させてきたということである。

トピックス

サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
「参政党パワー」の正体とは(神谷宗幣・代表)
叩かれるほどに支持が伸びる「参政党パワー」 スピリチュアリズム勃興の中で「自分たちは虐げられていると不安を感じる人たちの受け皿に」との指摘
週刊ポスト
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこが自宅マンションで亡くなっていることがわかった
遠野なぎこさん死去…「絶縁状態」と言われていた親族が訃報発表に踏み切った事情 知人が明かす「ずっと気にかけていた」本当の関係
NEWSポストセブン
なぜ蓮舫氏は東京から再出馬しなかったのか
蓮舫氏の参院選「比例」出馬の背景に“女の戦い”か 東京選挙区・立民の塩村文夏氏は「お世話になっている。蓮舫さんに返ってきてほしい」
NEWSポストセブン
泉房穂氏(左)が「潜水艦作戦」をするのは立花孝志候補を避けるため?
参院選・泉房穂氏が異例の「潜水艦作戦」 NHK党・立花孝志氏の批判かわす狙い? 陣営スタッフは「違います」と回答「予定は事務所も完全に把握していない」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《真美子さんの艶やかな黒髪》レッドカーペット直前にヘアサロンで見せていた「モデルとしての表情」鏡を真剣に見つめて…【大谷翔平と手を繋いで登壇】
NEWSポストセブン
誕生日を迎えた大谷翔平と子連れ観戦する真美子夫人(写真左/AFLO、写真右/時事通信フォト)
《家族の応援が何よりのプレゼント》大谷翔平のバースデー登板を真美子夫人が子連れ観戦、試合後は即帰宅せず球場で家族水入らずの時間を満喫
女性セブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と全身黒のリンクコーデデート》浜辺美波、プライベートで見せていた“ダル着私服のギャップ”「2万7500円のジャージ風ジャケット、足元はリカバリーサンダル」
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《タクシーで自宅マンションへ》永瀬廉と浜辺美波“ノーマスク”で見えた信頼感「追いかけたい」「知性を感じたい」…合致する恋愛観
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン