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出光と昭和シェルの合併が難航 小売り・社員にも賛否

経営陣と創業家の対立が泥沼化?

 出光興産の経営陣と創業家の対立が泥沼化している。昭和シェル石油との合併を進める月岡隆・社長ら経営陣に対して、出光昭介・名誉会長ら創業家側は「社風が違う」と強硬に反対、さる3月にも文書で「合併計画を白紙に戻せ」と申し入れた。

 同社創業者の「海賊と呼ばれた男」出光佐三氏が掲げた企業理念は大家族主義。

「いったん出光商会に入りたる者は、家内に子供が生まれた気持ちで行きたい」

 という言葉通り、同社には定年もリストラも労働組合もなく、社員が望めば何歳まででも働ける。それに対して相手の昭和シェルは10社近くが次々合併した会社だ。「家族主義」が根付いているとは思えないというのが昭介氏の言い分である。

 創業家側の持ち株比率は約34%で合併に拒否権を持ち、現在、経営者側は合併の一時延期に追い込まれている。ところが、系列の小売店からは「合併」を求める声が強い。

「石油元売りは製油所が過剰のうえ、エコカーが増えてガソリンの需要が減り、スタンドはどんどん潰れている。合併せずに生き残れるならそれに越したことはないが、規模を拡大しないと食べていけない。オーナーは現実が見えていない」

 肝心の社員も賛否が割れているからややこしい。

※週刊ポスト2017年5月5・12日号

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