国内

東大卒60代男性 脳梗塞で倒れた後にハマった趣味

脳梗塞で倒れた後にハマった趣味とは?

 新しい友人の影響で、趣味の世界が広がるのは、若者だけの話ではない。高齢者となってからも、介護施設での交友関係から、新たな楽しみを見つける高齢者は少なくない。高齢者がより快適に趣味に没頭できるよう、サービスを拡充させる業者もある。デイケア施設利用をきっかけに、それまで体験したことがなかった楽しみに夢中になる高齢者のケースを、ライターの森鷹久氏が、リポートする。

 * * *
 世界に先駆けて「超高齢化社会」を迎える我が国では「老人」をテーマにした瞬間に、ニュースや記事からは諦めや焦燥といった、ネガティブな雰囲気が漂い出す。老人問題は当然に”暗く語られるべき”ものなのか? 今回、ケアマネージャーの資格を持つ知人の助けを借りて複数の老人介護施設を取材したが、そこで目の当たりにしたのは、介護現場で働くパワフルで暖かい人々と、人間味が溢れまくったお年寄りたちの愛すべき姿だった。

 東京・墨田区内にあるデイケアホームを利用しているAさん(60代)は、東京大学経済学部を卒業後、大手企業の経理畑で約35年間働いた。定年まで働くつもりだったAさんに、突然突きつけられたのは「早期退職」の文言が入った、会社からの通知文だった。このまま定年まで働くよりも、今辞めたほうが退職金も多い……。あとは悠々自適な老後を楽しめば良い、自分にそう言い聞かせて会社を後にしたAさんだったが、わずか半年後には脳梗塞で倒れた。

「気が抜けたんでしょうね。毎日朝起きて、ご飯を食べて、ぼうっとテレビを見る生活。元々外出するタイプでも何かに打ち込むタイプでもない」(Aさん)

 一ヶ月ほどの入院生活を経て自宅に戻ったが、右半身に麻痺が残り自宅での生活は妻の介助が必要になってしまった。子育てなど、30年以上迷惑をかけてきた妻に、これ以上の負担はかけられない。そう思ったAさんは「死んでも嫌だった」という老人施設に通うことを決意。

「日中に家にいてはダメだと思い、朝行って夕方に帰ってこられるデイケアホームへの入居を決めました。老人施設に入るなんて、座して死を待つ老人が行く場所、と思っていたので気が重かったのですが、来てみると存外に面白くてね」(Aさん)

 デイケアホームで知り合ったのは、Aさん同様に脳梗塞で倒れ認知症気味だった50代後半の男性B氏。施設の職員によれば、この男性と出会ってからAさんは人が変わったように元気になったというが、なぜか苦笑いだ。

「B氏は四肢に麻痺が残っていますが、若い分アッチの欲求がものすごい(笑)。施設職員にもセクハラまがいのことをしてくるため、本気で怒るとシュンとなる。男性職員が冗談で風俗を勧めたところハマってしまい、週一で通ってるようです。真面目一辺倒だったAさんもBさんに影響されてしまい……」(施設職員)

 Aさんは、妻に内緒で東京・錦糸町にある派遣型風俗店を月に一度のペースで利用するようになった。その利用頻度はみるみるうちに増えていったが、目に見えて快活になっていくAさんとは対照的に、Aさんの妻は不信感を強めた。

関連キーワード

トピックス

三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
訃報が報じられた日テレの菅谷大介アナウンサー
「同僚の体調を気にしてシフトを組んでいた…」日テレ・菅谷大介アナが急死、直近で会話した局関係者が語る仲間への優しい”気遣い”
NEWSポストセブン
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン