女性のヌードを凝視して、キャンバスに描く──それが「ヌードデッサン会」だ。「ヌードデッサン会」は多くが取材NGの“秘密の花園”。だが本誌・週刊ポストは今回、障害者の射精介助を行なう社団法人・ホワイトハンズ主催のデッサン会「ららあーと」を取材する機会を得た。代表を務める坂爪真吾氏がデッサン会開催の意義を語る。
「ヌードデッサン会は今年で開始から6年、通算29回目になります。ヌードとしての芸術美を感じるだけでなく、裸に対する免疫を得る場だったり、性的な欲求やストレスを健全に昇華する場として開催しています」
今回の参加者は10~70代の計29人の男性と女性が1人。デッサン練習の学生から趣味で描いている人まで経歴は様々だ。
1回のデッサンは15分間。司会者が「始めてください」と言うと、参加者は一斉にペンを走らせる。キャンバスの上を鉛筆が走る音しか聞こえない世界で、時間の経過とともにスタッフが「5分経ちました」「残り5分」と合図を出す。制限時間ギリギリまで思い思いの裸体を描く。
デッサン会終了後、参加していた男性に話を聞いた。
「趣味で描き始めて2年、女体はこの世に存在する最も美しくて難しい形です。しかもその形は十人十色。描くほどに女体の美の奥深さに気付かされ、楽しいですね」(60代・会社員)
また、今回で5回目の参加だという男性は「デッサンは想像力と構成力が問われる。脳にも良い刺激になるのでボケ防止にも良い」(50代・会社員)と話す。