電柱ゼロ化自体には私も賛成だが、それを東京都が都道だけ単独でやるべきか、実現性も含めて甚だ疑問である。区レベル、もしくは街のブロックごとに容積率を大幅に緩和して高層化し、外部経済を取り入れて都民の税金を極力使わずに共同溝や非常用発電装置、貯水槽などを整備するといった方法を模索すべきだと思う。
実は、こうした抜本的で総合的な“東京大改造プラン”は、すでに私が1995年の東京都知事選に出馬した時に「新・東京ビジョン」として提言していたものである。そこまでの大きな構想力が小池知事にあるのか、今ごろ政治塾を作っていったい何をやろうというのか──。それが都議選圧勝後に問われることになるだろう。
※週刊ポスト2017年5月19日号