ライフ

【法律相談】高齢を理由にタクシーを途中下車 法に触れる?

高齢のドライバーは少なくないが…(イメージ)

 飲食業界では「客は店を選べるが、店は客を選べない」としばしば言われるが、タクシーの乗客が、高齢を理由にした途中下車した場合、これは法に触れるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 62歳のタクシー運転手です。先日、お客を乗せた際に年齢を訊かれたので答えると、「降りる」といわれました。60歳以上が運転するタクシーには怖くて乗れないというのです。先般の高齢者ドライバーの事故報道などで、乗客が神経質になるのも理解できますが、年齢を理由にした途中下車は罪になりませんか。

【回答】
 タクシーの乗車の契約には、タクシー会社の旅客運送約款の適用があります。運送約款は国土交通大臣の認可を受ける必要がありますが、国交大臣が定めて公示した標準約款と同じか、これに準拠したものになっています。

 標準約款では、途中の下車などについて、直接触れた規定はありませんが、危険品の持ち込みや行き先を告げられないほど泥酔している場合を除き「旅客の運送を引き受けます」と定めています。乗客の求める運送を引き受け、指示に従って運ぶという仕事をする契約です。

 約款では、乗客はメーターに表示された金額の料金を支払う義務があるものとされ、運転に関連する事故などの責任は乗車時から始まり、降車で終わるとされています。つまり、旅客運送の引き受け契約では、乗客には実際に乗っている間の距離に応じたメーター表示の料金の支払い義務しか発生しませんし、逆にいえば、運転手の責任もそこまでということです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン