口から飲んだ薬は胃や小腸で吸収され、血液に乗って全身に運ばれる。その後、肝臓で代謝され、腎臓から体外に排出されるが、高齢者は加齢により肝臓や腎臓の機能が低下しているため代謝や排泄に要する時間が長くなる。つまり薬が体内にとどまる時間も延びてしまうことで薬が効き過ぎてしまうのだ。
ガイドラインの作成メンバーの1人である至高会たかせクリニック理事長の高瀬義昌氏が話す。
「ガイドラインでは高齢者を75歳以上と定めていますが、60歳以上から薬の用量に注意していくべきです。加齢によって薬が効き過ぎてしまい、副作用が顕著に現われるケースが多いためです」
※週刊ポスト2017年5月26日号