市販されている風邪薬や鎮痛剤、胃薬でも、やはり15歳以上を「成人」として用量が決められているものが大半だ。
「風邪薬の中には抗ヒスタミン成分が含まれたものが多く、これにより高齢男性に前立腺が腫れるという副作用をもたらし、前立腺肥大を引き起こす可能性があります」(同前)
狭間氏によれば、過剰分泌された胃酸をコントロールすることで胃痛や胃潰瘍などを治す「H2ブロッカー」と呼ばれる胃薬にも、認知機能低下やうつ症状を誘発する副作用があるという。
「腎機能が低下している高齢者が、非ステロイド性の鎮痛剤を服用すると“むくみ”が出ることもよく知られています。これは腎臓内で血管の収縮や血液量を調整する『プロスタグランジン』という物質が、鎮痛剤によって抑制され、腎臓の血流が低下することで体から水分を排出しにくくなるからです」(狭間氏)
※週刊ポスト2017年5月26日号