自治体でもこうした支援が盛んに行なわれており、例えば東京都では「女性の活躍推進人材育成研修」を開催。それを受講して社内に「女性の活躍推進責任者」を設置すると、奨励金30万円が支給される。
さらに、その「責任者」が東京都の「フォローアップ研修」を受講した上で「行動計画」を届け出て、かつ行動計画の「社内向け説明会」を実施すると、さらに30万円(計60万円)の奨励金が上乗せされる。
女性を優遇する企業に“アメ”を配って、女性採用を後押ししているのである。
多くの職場でこれまで女性の割合が低かった背景に、企業が女性を差別してきた経緯があるのは確かだろう。しかし、それを是正するために女性を優先採用するのは、女性差別が男性差別に変わっただけではあるまいか。
※週刊ポスト2017年5月26日号