◆スランプを短くする方法
メジャーに移籍する前年の2000年、イチローは79試合目に4割に到達したが、最終的には3割8分7厘に終わった。イチローとともに振り子打法を生み出し、“イチローの育ての親”と呼ばれる元オリックス二軍打撃コーチの河村健一郎氏はこういう。
「野球は100打席で40安打は打てても、200打席で80安打を打つのが難しい。1番、2番を打つバッターは、安打数は増えるが、それだけ『打数』も増える。シーズン後半になると疲れも出るし、相手投手が警戒して研究してくる。イチローのような打撃センスも足もある選手でも、4割を維持することはできなかった。
もし勝利を度外視して4割を狙わせるなら、8番、9番を打たせていますね。ヒットを打ったらベンチに下げて休ませる。そうすれば4割をキープできたかもしれない。しかし、やはりチームが勝つことが最優先されるのが野球です。監督としてもイチローのような打者を下位に置けないし、ファンも黙っていないですからね」
それは今季の近藤にしても同様だろう。では「4割」の偉業を達成するためにはどうしたらいいか。河村氏は「スランプ」対策が重要だと強調する。