「さらに塩を取る時、花道の奥にいる付け人と目を合わせるのも決めごと。気合いを入れるスイッチにしているわけですが、付け人はよそ見も油断もできない(笑い)」(同前)
最後の塩を小走りで取りに行くのは前頭6枚目の勢も同じで、「十両に上がってから始めた手順」(若手親方の一人)だという。十両で昇進場所優勝(2011年11月場所)を果たし、その後も同じ手順を続けている。
時津風部屋の東農大出身コンビである正代(前頭5)と豊山(新入幕・前頭16)は、白鵬と同じく時間いっぱいで花道奥の付け人と目を合わせる。
「付け人と目が合うと小さくコクリとうなずき、土俵の中央に向き直す。土俵に向かう前に花道の奥で付け人のほうに振り向いて気合いを入れることも含め、2人とも全く同じ動作なので、何か由来があるのかもしれません」(同前)
かつて水戸泉(元関脇、現・錦戸親方)は、塩を大量に撒くパフォーマンスで場内から喝采を浴び、「ソルトシェイカー」と称されたが、それを受け継ぐのが十両・旭日松だ。