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佐藤優と片山杜秀が語る「バブル崩壊と宮崎勤」の行く末

作家の佐藤優氏

 天皇の譲位問題にともない、平成の終焉が取り沙汰されるようになった。さて、平成とはどんな時代なのか。「昭和が終わった日」をモスクワの日本大使館で迎えた佐藤優氏と、日本の保守思想の変遷をとらえてきた片山杜秀氏が、平成元年の宮崎勤事件(東京・埼玉連続幼女誘拐殺害事件)について述懐する。

佐藤:平成に入って私が異常だなと感じるのが個人情報保護です。住所まで隠す必要があるのか、と。

片山:そこは慣らされては困る話ですね。かつては作家の住所も公表されていた。というか、本の著者紹介に学者でも詩人でも所番地まで出ていたでしょう。

佐藤:いまプロフィールに住所を書く作家、評論家は鈴木邦男さん(注1)くらいじゃないですか。「来るなら来い」という感じで(笑)。

【注1/1972年に結成された新右翼団体「一水会」創設者。反共産主義にして反米も掲げる】

片山:でも本当に襲われる危険性もある。実際にアイドルが切りつけられる事件も起きています。個人情報保護で年鑑や人名録がなかなか作られないから、ネットなど非公式な情報が大きな力を持つ。闇ですよね。アングラ情報です。国会議員も最近はアングラ情報で質問している。現実と虚構の区別がとても難しくなっている。個々人の判断力の低下もあるかもしれませんが、それ以上に情報環境の問題ですね。

佐藤:その文脈でいえば宮崎勤(注2)事件も平成元年です。

【注2/女子児童4人を誘拐・殺害。被害者宅に児童らの身体の一部が、マスコミには犯行声明が届き、社会は騒然とする。1989年7月現行犯逮捕。2008年死刑執行】

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