◆ウォンビンには「また会いたい」と思わせる何かがある
〈代表作といえる『四季シリーズ』とは、『秋の童話』『冬のソナタ』『夏の香り』『春のワルツ』の4作。この4作品から、ユン監督は、多くのスターを発掘している〉
今回の映画も、新人俳優を発掘するプロジェクトだったのですが、私は新人を発掘するのがとても好きなのです。
すでにスターになっている人を主人公にすると、その役者の蓄積したイメージがあるので、それをわざわざ一度壊して、新たに色を塗るのは大変な作業です。それより、観客が何の先入観も持っていない白紙状態の俳優に、思うままの色を足していく作業はとても楽しいものなのです。
〈ペ・ヨンジュンはじめ、起用した俳優の多くが有名になった。だが、今は交流を避けている面があるという〉
なぜか? 彼らが右も左もわからない新人時代にご一緒しているので、当時、私はものすごく怒ったりしているわけです。だから、今会うとお互いちょっと気まずいんじゃないかと思ってしまって…。
仕事に関しては、すごく欲があるので、自分の予想した通りにいかないと、どうしても怒ってしまいますから。
〈そんなユン監督が、新人を選ぶ際に大切にしていることは、何よりスター性だ〉
演技は時間をかけて練習していけばうまくなりますが、生まれ持ったイメージというか、スター性はそうはいかない。好感度があって、私が色を足していくことで、大衆に愛されるかどうかがとても重要なのです。でも、まずは私が惚れることですね。
〈監督が、特に魅力を感じたのが、ドラマ『プロポーズ』(97年)でデビューさせたウォンビンだ〉
当時、彼は田舎から出てきたばかりで、アルバイトをしながらとても苦労していました。でも、その頃の彼には、ずっと見ていると惚れてしまうというか、どれだけ見ていても飽きない何かがありました。あっ、私は決してゲイではありませんよ(笑い)。
撮影中など、一日の仕事が終わって別れた後も、『ああ、もう1回会いたいな、今度、食事でも誘うかな』と思わせる。これは魅力があるということです。私がそう確信したら、その気持ちを視聴者の皆さんに証明していくわけです。
撮影/森浩司
※女性セブン2017年6月22日号