◆車は簡単に吹き飛ぶ
政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)でミサイル発射の動きを伝えるが、タイムラグがある。防災・危機管理アドバイザーの山村武彦氏が言う。
「北朝鮮のミサイルが発射してから日本本土に着弾するまでは約10分。政府が発射とその経路を分析してJアラートを鳴らすまでは5~7分かかると言われています。残された時間は、3~5分しかありません」
そのわずかな時間に何をすべきか。最も重要なのは“助かりそうで助からない場所”に避難するのを避けることだ。
「周囲に建物や遮蔽物がない時、車の中に逃げ込めば安全と考える人は多い。車体は頑丈で窓も住宅の窓ガラスに比べれば厚いと考えるからでしょう。
でもアメリカでハリケーンの直撃を受けた車が次々と上空に巻き上げられていく映像に見覚えがありませんか? 車は躯体構造の関係で下から吹き上げる風圧に弱く、爆風で簡単に吹き飛んだり、転がされたりします。車内に避難するぐらいなら、頭を両手で覆い、地べたに伏せていたほうが安全です」(前出・大泉氏)
同様に、避難場所に適していそうに見えても危険な場所が、自動販売機の脇やコンクリート製のブロック塀の裏などだ。どちらも爆風で簡単に倒壊して下敷きになる可能性がある。