でも夫は自由にお酒を飲んだり、明け方帰ってきたり。クリニックについてきてくれるわけでもありません。子供は欲しいけど、もし子供ができても子育ての協力なんて考えられない」(不妊治療2年・35才女性)
「体外受精がうまくいったと思ったらダメでした。その最中に彼の浮気がわかりました。まさかこの時期に…。別れる気もないし、なんだか彼を責める気にもなれないんですが、最悪最低の裏切りを受けた気持ちです」(不妊治療5年・42才女性)
女性の負担が大きい一方で、不妊治療は男性にとってもプレッシャーになる。
「今日は“やる日”だからちゃんと早めに帰ってきて、と言われて子づくりのための義務にしか思えない。まさに愛情のないセックスです。男としての自信もなくなるし、外に愛情を求めたくなりました。体外受精で精子をとる前には1週間“禁欲”しろと指図される。もう子供はいいから人間的な生活を送りたいと心の底から思いましたよ。子供が授かり本当によかったと心の底から思いますが、妻とは当然セックスレスになりました」(結婚8年・45才男性)
前出・永井さんが指摘する。
「セックスが子供を産むための義務的な行為になると、男性は“種馬じゃない”と拒否反応を示す傾向があります。妊娠のために男性ができることが少なく、女性の体についての知識も少ないので、不妊治療の大変さが伝わりにくい。排卵日にセックスを求められることにうんざりして、帰宅恐怖症になる男性もいます」
お互いの立場を思いやり、たまには「焦らなくても大丈夫だよ」「子供だけが人生じゃないよ」と優しく声をかけあうことが大切と専門家は口をそろえる。
※女性セブン2017年6月22日号