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2017.06.14 16:00  女性セブン

精神疾患に家族の一体感はむしろマイナスになることも

 前述の2015年2月に娘を殺した80代父親も、大畠さんが和歌山市内で開いた講演会に呼んだ1人だった。

「私は殺人を犯しました」

 同年11月、執行猶予判決を受けて間もないその男性の言葉に、聴衆は聞き入った。親を殴り、自宅の器物を破壊し、隣家にモノを投げる…。エスカレートし続けた家庭内暴力を明かし、事件当夜の出来事も全て話した。われを忘れて母親を殴る娘を見て、すべてを諦めたこと。電気コードを手に取り、泣きながら首を絞めたこと…。静まりかえる会場に、男性の声だけが響いていた。大畠さんは現在、世界の精神疾患患者を取り巻く現状を知るべく、海外にも足を運んでいる。

「イタリアのトレントでは精神科の病院もなく、地域で患者を見ていました。どこも同じです。社会全体で助ける。海外はその仕組みが遙かに進んでいます。日本が学ぶべき点は多い」(大畠さん)

『「正義」がゆがめられる時代』(NHK出版新書)等の著書で現代人の精神と肉体の異変を分析してきた精神科医の片田珠美氏もこう話す。

「精神疾患の場合、家族の一体感はむしろマイナスになります。周囲に知られるのは恥だという意識も働き、内々で抱え込むことになりやすい。でもそれでは解決は難しい。むしろ世帯を分けた方がいいのです。診断を受けて、精神障害の障害年金をもらい、足りなければ生活保護を受給するという方法もある。医療、福祉、行政に相談しましょう。最悪の悲劇を防ぐためにも、あえて家族は離れるべきです。いずれ親の方が先に死ぬのですから」

※女性セブン2017年6月22日号

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