──ですが、その手法は奏功している。今までの政治闘争は、国民の支持を得て、選挙で勝って数を取る。しかし、安倍一強の政治に勝つためには、「数」の前に「空気」を変えないと、国民の意識が変わらない。「空気」を相手にどう戦うのか。
小沢:森友学園にしろ、加計学園にしろ、これだけ政権私物化の材料が出てきているのに、安倍首相は平気の平左だから、いかに野党がだらしないかということ。
──安倍首相の「空気」に呑まれるばかりに見えるが。
小沢:野党が実際に行動しなきゃ駄目だって言っている。蛮勇をふるってでもね。やっぱり、リーダーがこの雰囲気に呑み込まれているようでは駄目だ。
──野党が結集して、本当に空気が変わるのか。
小沢:僕はいつも言うんだけど、安倍さんが進めている原発再稼働でも、安保法制でも、あるいは共謀罪法案でも、国民の多数が反対している。それなのに、安倍政権を支持する。その矛盾を不思議に思わないのが日本人の心理の不思議なところなんだ。さっきから言うように、長いものに巻かれておくのが無難だという心理だろう。
しかし、国民は2009年に政権交代を経験した。お上はおっかないけど、あの自民党政権を代えられたという意識は頭の中に残っている。日本人というのは良く言えば柔軟、悪く言えばいい加減だから、自民党に代わる政治グループが出てきたら、一気に変わる。