今回の話をきっかけに、「作品と不祥事は別物」という宣言を各作品の担当者は声明を発表しても良いだろう。何しろ、二次使用により再度お金が入る構造があるというのに、それを一人のバカによって潰されるのはあまりにも理不尽である。そして、客たる一般人もいちいちクレームの電話をしたり、作品の封印を署名サイトで求めるなどはしない成熟度を見せるべきだ。
何しろネットでは自分の気にいらないものは何でも潰せる。一部のフェミニストは「小出を見ると性被害に遭った彼女を思い胸が締め付けられる。また、本人も苦痛を受ける」的なロジックで攻めてくるだろう。
ただし、地上波で流す場合はスポンサーにクレームが行く可能性もあるのが痛いところである。
●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など。
※週刊ポスト2017年6月30日号