ライフ

「病院で出す薬」が買える薬局 保険が利かなくても安い理由

処方箋なしでも買うことができる薬は?

 病院に行って診察を受けないと「きちんとした薬」はもらえない──そんな“常識”に一石を投じる薬局が登場している。

 実は、基本的に病院で診察を受けないと手に入らない「医療用医薬品」には、医師の処方箋が必須の薬と、そうではないものがある。薬の添付文書をよく見ると、そのことがわかる。

 例えば血が固まるのを抑える抗凝血薬「ワルファリン錠」の場合、規制区分に「処方箋医薬品」と書かれている。一方、風邪薬として処方される「PL配合顆粒」は医療用医薬品であるものの、規制区分には「処方箋医薬品以外の医薬品」と書かれている。

 そのため、このような薬は処方箋なしでも買うことが認められているのだ。本誌が確認できた限りでは、「病院で出す薬」が買える薬局は全国に6店あった。こうした薬局は医師の診断を伴わないので健康保険が利かない。店頭での購入に際して保険証を提示することはなく、「10割負担」になる。

 ところが、病院で診察を受けて処方された場合より、安くなることもあるのだ。ポイントは診察料などがかからないところにある。昨年8月に薬局「池袋セルフメディケーション」をオープンした長澤育弘代表がいう。

「例えば、風邪で病院を受診した場合、初診料で2820円、処方箋料680円、内服薬の調剤料が250円、症状が出た時に飲んでもらう頓服薬の調剤料210円、さらに調剤基本料410円、薬学管理料500円が加わり、合計で4870円となる。ここに医療用総合感冒薬や解熱剤の代金がプラスされて、5000円を超えます。医療費が3割負担として計算すると約1600円になります。これが当店で薬を出すだけなら、感冒薬が800円、解熱剤が300円程度で、合わせて約1100円となるため、およそ500円安くなります」

関連記事

トピックス

谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン