批判に正対せずにせせら笑いで受け流し、権力を守るためには情報を封印することも厭わない安倍政権に、もはや中曽根氏らが大切にした政治の「高潔さ」は全く残っていない。
総理大臣に近い者への利益誘導疑惑はうやむやにされ、国民の自由な意思を封じる法律だけを作り上げて国会は閉じられた。その傲岸極まりない政治は、東京都議選や内閣改造という政局を迎える中で、さらにエスカレートしている。
権力の責任を顧みることなく、権力の濫用にのみ血道を上げる《あまりに不潔な政治》は、後世の歴史家の審判に堪えられるのか──。
※週刊ポスト2017年6月30日号