盧武鉉の場合、水産王国の釜山が選挙区だったから、彼が好んでいたという釜山名物の「アナゴ・フェ(刺身)」の知名度が上がり、首都圏でも大いに食されるようになった。
李明博の故郷(浦項)の名物は「クァメギ」。身欠きニシンのようなサンマの浜干しをぶつ切りにし、分葱やニンニクと一緒にワカメでくるんでコチュジャンをつけて食べる。料理というほどのものでもないが、焼酎によく合う。まったくローカルだったのに李明博政権のおかげで全国銘柄になった。
◆“給食メシ”のパフォーマンス
ここでも残念なのが朴槿恵。秘密主義だったためその好みの食もベールに包まれている。父の朴正熙は酒はドブロクの「マッコリ」で「素うどん」を好んだという話は聞いたことがあるが、娘は“姫育ち”の独身で、料理は人任せのせいか彼女に食の話題はとんとなかった。
さて文在寅・新大統領だが、盧武鉉と同じく釜山が地盤だから、食の好みはもっぱら「海産物」と答えている。ソウルでの行きつけの店にも「海草料理屋」が入っている。
しかし釜山名物といえば何といっても「オデン」。日本語そのままだが、韓国ではチクワやハンペンなど魚の練り物一般をそう呼んでいる。だから韓国のオデンには他の具材は入っていない。日本の関西の影響だろうか、釜山ではオデンのことを「カントウ(関東炊き)」ともいう。屋台食だったのが今や一般料理になり、全国化し家庭でも食している。