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スー女が注目 ウィル・スミスも及ばぬ呼び出し・大吉の魅力

相撲好き女子が目をつけたのは?

 相撲ブームが沸騰している。「謎のスー女」こと尾崎しのぶ氏が、現在相撲コラムを週刊ポストで執筆中。今回は、取組の際に力士を呼び上げたり、タオルや塩の管理などを行う「呼び出し」について尾崎氏が綴る。

 * * *
 二〇一一年九月場所。夕方に当日券を買いマス席に座ると、近くに知人がいた。アメリカで暮らしているという三十歳くらいの娘さんを連れていた。

「誰がお好きなんですか?」

 そうたずねると、娘のAさんは土俵を指さし、あの人です! と言った。私は、今は誰対誰かと取組表を見たのだが、Aさんが好きなのは、呼び出しの大吉なのであった。初恋の人は朝潮(大関)で、そして今は大吉のファンなんです、と頬を赤らめた。私は息を飲んだ。「一番好きな相撲人」が呼び出しだとは。私なりに分析すると、大吉はかつての高見山にも通じる、高砂部屋に生息するコミカルモンスターというタイプである。

 テレビで相撲中継を見ていると、力士は花道から控え、取組と、一日あたり五分程度しか映る時間がないけれど、タオルや塩の管理をする呼び出しは丸々一時間は映り続ける。私がまず覚えたのは、おぼっちゃまっぽい太助といたずらっ子のような三白眼の重太郎のデュオだった。

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