「クルーザーの中で、母が好きだったハワイアン音楽を流し、思い出コーナーに若かった頃から順に写真を飾りました。妹の小学生の子供たちにも印象に残るだろうし、思い出深い時間になりました。今後? 羽田空港から旅行に行く時、少し早めの時間に行って、空港の屋上デッキで手を合わせるつもりです」(留美さん)                  

 改葬、室内墓、永代供養墓、樹木葬、女性専用墓、そして海洋散骨と巡ってきたが、形態に関わらず、亡き人あるいは自分の「落ち着き先」を決めた人たちは充足感を持っていた。

 とはいえ、選択肢が広がったために、決めるのはかえって難しいと感じる向きもあるだろう。ところが、エンディングデザイン研究所代表で、社会学博士の井上治代さんは事もなげに、こう語った。

「どの形態もアリなのです。家族形態も価値観も多様化が進む今、100年後を考えてお墓を選ぶのは不可能。亡くなった人のお墓は、この先、自分が生きている間、手を合わせて満足感を持てれば充分だし、自分のお墓は『脱家』『個人化』も視野に入れ、自分らしく選んでいいと思います」

 真面目な人ほど、代々のお墓の行く末や、子供たちに先々迷惑をかけまいとして、「お墓、どうしよう」と悩んでいる。「自分らしく」とはつまり、自分がどうしたいか。悩みからではなく、前向きに明るい気持ちでお墓を選ぶ時代はもう始まっている。

※女性セブン2017年7月13日号

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