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2017.07.05 07:00 週刊ポスト
【書評】日本も含め世界各地に存在するシンデレラ譚を紹介
【書評】『シンデレラの謎 なぜ時代を超えて世界中に拡がったのか』/浜本隆志・著/河出書房新社/1500円+税
【評者】与那原恵(ノンフィクションライター)
いわずと知れた「シンデレラ」は、世界中の人々を魅了してきた。継母にいじめられる美しい娘、お城の舞踏会、ドレス、かぼちゃの馬車、ガラスの靴、そしてハッピーエンドを迎える場面などが目に浮かぶ。この物語はヨーロッパのどこかの国の民話をもとにしたのだと思い込んでいた。
しかし、シンデレラ譚の類話は、古代エジプト、西南アジア、インド、東アジア、南北アメリカ(ネイティヴ・アメリカン、南米先住民)など、世界中のほとんどの地域に分布しているという。〈シンデレラ譚のグローバル化は驚くべき現象であるが、この事実は欧米中心文明観にとって不都合であったので、近年までクローズアップされることはほとんどなかった〉
関西大学名誉教授の著者の専攻は、ヨーロッパ文化論、比較文化論だが、シンデレラ譚の伝播のプロセスをたどりつつ、人類の大移動に着目した。歴史学、神話学、文化人類学など、多角的なアプローチで解明していき、人々の壮大な旅の物語を伝えてくれる。
シンデレラ譚はいつ、どこで生まれたのか。口承で伝えられてきた民話は、その成立年代を特定するのは困難だ。歴史資料に記載されている最も古いものでは、古代エジプトの「ロドピスの靴」で、ルーツは紀元前五、六世紀ごろまでにさかのぼるという。
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