「オメガ3系の油は、体内に入ると約30分で素早く消化吸収されます。体内で作ることができないため、食事から摂る必要がある必須脂肪酸で、細胞膜や神経など、体づくりに働く大切な成分。不足すると動脈硬化やアレルギーなど、体に悪影響を招きかねません。健康意識の高い人がオメガ3系を摂っているのは、このためです」(井上さん)

 しかし、同じ必須脂肪酸でも控えたいのが、リノール酸などを含むオメガ6系だ。『「隠れ油」という大問題 病気になる油、治す油』(三五館)の著者で、植物油研究家の林裕之さんは、次のように警鐘を鳴らす。

「リノール酸には、悪玉コレステロールを減らす効果があるとされ、昔は健康にいい油として注目されていましたが、摂りすぎによるマイナス面が明らかになってきました」

 外食や総菜、パン、スナック類などで使われているのは、ほぼこの油。通常の食生活で充分摂取可能。むしろ、摂りすぎると血管を傷つけて動脈硬化を招き、生活習慣病の原因や、アレルギー、がんなどを引き起こす可能性があるので、注意が必要だ。

 今の日本人に圧倒的に不足しているのは、α-リノレン酸、EPA、DHAといった脂肪酸を含むオメガ3系の油と、前出の林さんは言う。

「昔はオメガ3系が豊富ないわしなどの青魚を日常的に食べていたので、不足することはほぼありませんでした。ところが魚離れが進む今では、ほとんど摂れていない状況です。摂りすぎのオメガ6系をやめて、オメガ3系を積極的に摂ることが、今の日本人には大切なのです」

 厚生労働省が発表している『日本人の食事摂取基準(2015年度版)』によると、脂質の1日の摂取目標量は、老若男女問わず、総エネルギーの20~30%。18才以上の一般成人の場合で、植物油に換算して約40~50gだ。このうち、オメガ3系の1日の摂取量の目安は1.6~2g。えごま油や亜麻仁油なら、小さじ1杯程度で摂取できる量だ。

 オメガ3系の油は、花粉症やアトピー、精神の安定、記憶力、認知症予防にも効果があるため、摂るべき油の筆頭。高齢者にも積極的に摂ってほしい油なのだ。

※女性セブン2017年7月20日号

トピックス

12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
宮崎あおい
《主演・大泉洋を食った?》『ちょっとだけエスパー』で13年ぶり民放連ドラ出演の宮崎あおい、芸歴36年目のキャリアと40歳国民的女優の“今” 
NEWSポストセブン
悠仁さまが2026年1月2日に皇居で行われる「新年一般参賀」に出席される見通し(写真/JMPA)
悠仁さまが新年一般参賀にご出席の見通し、愛子さまと初めて並び立たれる場に 来春にはUAE大統領来日時の晩餐会で“外交デビュー”の可能性も、ご活躍の場は増すばかり
女性セブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情
(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
熱を帯びる「愛子天皇待望論」、オンライン署名は24才のお誕生日を節目に急増 過去に「愛子天皇は否定していない」と発言している高市早苗首相はどう動くのか 
女性セブン
「台湾有事」よりも先に「尖閣有事」が起きる可能性も(習近平氏/時事通信フォト)
《台湾有事より切迫》日中緊迫のなかで見逃せない「尖閣諸島」情勢 中国が台湾への軍事侵攻を考えるのであれば、「まず尖閣、そして南西諸島を制圧」の事態も視野
週刊ポスト