懸賞でプレゼントが当たったものの、送られてきた商品が破損していたら大ショックだ。応募して当選したグラスが破損していた場合、当選者はもう商品を手に入れることは無理なのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。
【相談】
あるイベントに参加、そこで主催者側が募集していたオリジナルグラスの広告を見つけ、はがきを送ったら当選。しかし、発送状態が悪くグラスにヒビがあり、主催者側に連絡を入れると、「在庫がなく、諦めてもらえませんか」とのこと。こういう場合、やはり商品は断念しなければいけないのでしょうか。
【回答】
民法には、「ある行為をした者に一定の報酬を与える旨を広告した者は、その行為をした者に対してその報酬を与える義務を負う」という「懸賞広告」に関する規定があります。懸賞広告とは、例えば行方不明者の有力情報提供者に対し、謝礼を支払うというように「ある行為」(指定行為)に対する報酬を支払うものです。指定行為をした者が複数いれば、最初の行為者が報酬を受けますし、同時であれば、分配や抽選が行なわれます。
しかし、広告で別の方法を決めることも可能です。指定行為が違法なことでなければ、自由に指定できます。となると、イベント会場で応募はがきを出すことを指定行為とし、抽選で当選者を決め、報酬としてプレゼントを渡すとの広告も懸賞広告と理解できます。