「中心部からのアクセスが抜群なのは九重部屋(東区の徳源寺/千代の国、千代翔馬、千代大龍、千代丸)です。稀勢の里、高安のいる田子ノ浦部屋も寺院が宿舎ですが、長久手市の大雄院なので市内からはちょっと時間がかかる」(同前)
基本的に場所中であっても各部屋は朝稽古を欠かさない。
「古い寺院を宿舎にするなかでのエピソードで有名なのが、NHKの相撲解説でお馴染みの北の富士勝昭氏の意外な一面。関取には個室があてがわれるのですが、北の富士氏は暗いお寺に1人で寝るのがイヤで、若い衆のいるザコ寝部屋に現われ、付け人に“先に寝るな”と命じていたという逸話があります。横綱になってからはもっぱら、寺の近くでホテル暮らしをしていたそうです」(古参親方)
会場となる愛知県体育館もファンにとってはありがたい構造だ。両国国技館では、横綱・大関が車で会場入りする際には地下の駐車場へ直行するが、名古屋の駐車場は地上のみ。しかも出口は1か所なので全力士の「出待ち」が簡単にできる。名古屋場所は、“1年で最もオープンな場所”なのである。
※週刊ポスト2017年7月21・28日号