YJ-18は地上目標も艦艇も攻撃可能な巡航ミサイルであり、最大射程距離は540km程度。米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦や一部のアーレイバーク級駆逐艦が装備しているハープーン対艦ミサイルの射程距離が124kmなので、中国の方が4倍以上も射程距離が長く、戦闘においては、055型駆逐艦は米巡洋艦や駆逐艦の脅威圏外から米艦艇を攻撃することが可能。これは大きなメリットである。
これに対抗するのが米航空母艦打撃群だが、中国人民解放軍ロケット部隊は尖閣諸島のある東シナ海や南シナ海を射程に収める東風21-D型対艦弾道ミサイル(DF-21D)や、東風26型対艦弾道ミサイル(DF-26)の運用をすでに開始。米軍が両海域に空母打撃群を出動させれば、格好の標的になってしまうことから、米空母は使えないことになる。
となると、駆逐艦の性能が戦闘の決め手になり、055型ミサイル駆逐艦の性能を上回る駆逐艦を保有していない米軍は不利な情勢になる可能性もある。
サウスチャイナ・モーニング・ポストは、6月に進水した055型ミサイル駆逐艦は年内には航海などのテストを経て、来年には実戦配備される予定だと報じている。米軍関係者が大きな懸念を抱くのもうなずけるようだ。