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PL野球部「最後の日」から1年──それぞれの人生

PL学園野球部「最後の日」から1年が経った(写真は2016年7月15日)

 1年前の7月15日、PL学園野球部は、大阪大会初戦で東大阪大柏原に敗れ(6対7)、活動休止となった。学園の1期生で、黄金期にはスカウトとして部を支えた井元(いのもと)俊秀氏は、敗北の報せを秋田で聞いた。電話の相手は東大阪大柏原の浅黄(あさお)豊次監督だった。

「井元さん、母校は立派でしたよ。良い試合ができました」

 その言葉に、井元氏はひとり涙した。浅黄監督は、1990年代にPLと大阪で覇を競った近大附属の元監督であり、知己の関係にあった。

 実は同校との対戦が決まった日に井元氏から浅黄監督に連絡を入れ、こう伝えていた。

「PLはもう終わってしまう。武士の情けじゃないが、無名校に負けるよりも、あなたに介錯をしてもらえるのなら、私も本望です」

 PLは今年3月に高野連脱退届を提出。全国制覇7度を誇る名門は、60年の長い歴史に幕を閉じた。井元氏は言う。

「今は明桜(秋田)の野球部に携わる立場。もう一度、甲子園に子どもたちを連れて行きたい」

 名門野球部の最後の主将(62期生)である梅田翔大(しょうた)は、福岡の日本経済大学に進学し、「甲子園の夢がかなわなかったぶん、(大学野球で)神宮球場を目指したい」と話した。

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