国内

老人ホームは姥捨て山にあらず 親の新生活に心寄せ家探しを

老人ホームは親の生活に合う物件選びを

 認知症と診断された親の介護。自宅での生活や子供の家での同居が困難なら、次の選択肢は老人ホーム。民間の施設数は急増中で選択肢は多いが、親の終の棲家と思うと、何を基準に選べばよいか悩む。

 紹介物件数No.1の老人ホーム検索サイト『みんなの介護』の大壁勁太さんによると、

「基準はズバリ(1)予算(2)立地(3)介護(4)医療の必要性です」

 とのこと。親が快適になどと曖昧に考えがちだが、現実はシビアだ。

「入居一時金や月額費用のほか、介護費や医療費などもかかります。年金や家族の支援などで、どのくらいの予算が割けるかを、まず確認する必要があります。

 立地は支援する家族の生活圏で選ぶのがベスト。親御さんが住み慣れた地域にこだわるかたもいますが、入居後も何かと支援が必要。家族が訪問しやすい場所が便利です。

 次にどんな介護を希望するか。手厚いケアか自由度の高さか。また、胃ろうなどの定期的ケアが必要な場合は、医療スタッフの常駐が必須要件になります。

 この4つの基準に照らすとかなり物件は絞られるので、資料請求をして、必ず現地見学をしましょう。ただし最初はご家族だけで。施設の雰囲気、清潔さなどをチェックし、施設スタッフとよく話をして、親の生活の場として相応しいかをよく考慮してください。その上で、絞り込んだ1軒に案内すると、親御さんも安心して決断できるようです」

◆人生最後のお引っ越し。家族の絆も強まって…

“親を施設に”という響きにはやはり抵抗感がある。記者も要介護の母の住まいを探してネット検索に明け暮れた頃は姥捨て山をさまよう気分が拭えなかった。でも「実際に見学せよ」というプロの助言は大正解。10軒近く見た有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅はどこも居室がごく普通の家の設あつらえで、バリアフリーや緊急呼び出しボタンなどの配慮もなされていた。何も置かれていないきれいな空室に立つと、母の新生活があれこれ浮かび、私までワクワクした。

「今や老人ホームはサービス業として成熟しつつあり、快適で安心感のある生活の場、まさに“ホーム”なのです。いい物件に出合えれば、家族のいい関係が、新たな形で築けると思います」(大壁さん)

※女性セブン2017年8月3日号

関連キーワード

トピックス

山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン