ビジネス

主婦の起業 意外な難関は「夫の反対、家族の説得」

女性が起業するには何をするべきか?(写真/アフロ)

 全国に280万社ある会社のうち、女性社長は33万2466人(東京商工リサーチ 2015年「全国女性社長」調査より)。約1割と考えると、少ないように思えるが、政府の「女性の活躍推進」政策なども追い風となって、女性社長の数は、2010年と比較すると約1.6倍も増加しているのだ。インターネットの普及もあり、家事や育児をしながら自宅で開業するケースも増えてきている。女性が起業しやすくなった今、夢をかなえるために、どうすればいいのか。

◆意外な難関! それが家族の説得

 主婦が起業するには、何をするべきか。起業コンサルタントの中野裕哲さんに聞いた。

「自分がどんな業種で起業したいかを考え、明確にすることが大切です。その際、

【1】好きなこと、やりたいこと
【2】得意なこと、持っている資格
【3】社会のニーズ

 これら【1】~【3】が重なる業種を考えると成功しやすい。例えば、自分の好きな服を作っても、それを欲しがる人がいないと商品は売れませんよね。需要や流行などを踏まえてリサーチすることが重要です」

 次にするべきなのが、家族の説得。実はここが意外な壁で、専業主婦の場合、“社会や仕事の仕組みがわかっていない”などと夫に反対され、苦戦するケースが多いという。

「主婦が起業する場合、家族の協力が必要になります。資金はどうするのか、家事や育児はどう分担するのかなど、ビジョンをしっかり持っていないと夫や家族に反対されてしまいます。彼らを説得するためにも、やりたいというだけでなく、ビジネスとして成り立つかを調べて説得しましょう」(中野さん)

 ここまでは、まだ序盤。これらをクリアしてようやくお金の問題に取り組むことになる。

◆自己資金で足りない分は公的融資を検討

 家族への説得など、地盤固めが済んだら資金の計算だ。客層や商品の仕入れ先など、事業内容を具体的にすると必要な資金が見える。

 自己資金で足りない分は、日本政策金融公庫や自治体の公的融資を活用したい。公的融資を利用する場合は『事業計画書』を提出しなければならない。これは、事業内容や見込み利益などを記載するもので、この書類を参考に審査される。

 融資審査は一発勝負なので、プロのアドバイスは受けた方がいい。起業する女性を支援するセミナーなどを活用しよう。

 また、融資を受ける際は、総資金の3分の1は自己資金でまかなわなければならず、さらに、過去半年の入出金がわかる通帳を提示しないとならない。過去5年の個人信用情報もチェックされる。

 融資のための、これら条件をクリアし、書類を整えたら、日本政策金融公庫などに融資を申し込む流れとなる。

 起業するのに遅いということはないし、主婦は無理ということもない。最近では女性の起業者のための相談機関も増えているので、まずは気軽に相談してみよう。

※女性セブン2017年8月10日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

小磯の鼻を散策された上皇ご夫妻(2025年10月。読者提供)
美智子さまの大腿骨手術を担当した医師が収賄容疑で逮捕 家のローンは返済中、子供たちは私大医学部へ進学、それでもお金に困っている様子はなく…名医の隠された素顔
女性セブン
吉野家が異物混入を認め謝罪した(時事通信、右は吉野家提供)
《吉野家で異物混入》黄ばんだ“謎の白い物体”が湯呑みに付着、店員からは「湯呑みを取り上げられて…」運営元は事実を認めて「現物残っておらず原因特定に至らない」「衛生管理の徹底を実施する」と回答
NEWSポストセブン
北朝鮮の金正恩総書記(右)の後継候補とされる娘のジュエ氏(写真/朝鮮通信=時事)
北朝鮮・金正恩氏の後継候補である娘・ジュエ氏、漢字表記「主愛」が改名されている可能性を専門家が指摘 “革命の血統”の後継者として与えられる可能性が高い文字とは
週刊ポスト
英放送局・BBCのスポーツキャスターであるエマ・ルイーズ・ジョーンズ(Instagramより)
《英・BBCキャスターの“穴のあいた恥ずかしい服”投稿》それでも「セクハラに毅然とした態度」で確固たる地位築く
NEWSポストセブン
箱わなによるクマ捕獲をためらうエリアも(時事通信フォト)
「箱わなで無差別に獲るなんて、クマの命を尊重しないやり方」北海道・知床で唱えられる“クマ保護”の主張 町によって価値観の違いも【揺れる現場ルポ】
週刊ポスト
火災発生後、室内から見たリアルな状況(FBより)
《やっと授かった乳児も犠牲に…》「“家”という名の煉獄に閉じ込められた」九死に一生を得た住民が回想する、絶望の光景【香港マンション火災】
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン