国内

加計獣医学部 異常に高い建築単価の見積もりの錬金術疑惑

加計疑惑は内閣改造後も安倍政権にとって大きな“爆弾”であり続ける

 7月24~25日に加計学園問題の閉会中審査が行なわれたが、加計疑惑は内閣改造後も安倍政権にとって大きな“爆弾”であり続ける。新たな焦点として浮上したのが新キャンパス開設をめぐる加計グループの“濡れ手で粟”のビジネスモデルだ。

 加計グループは全国に20以上の学校を経営するが、経営は決して順調ではない。同グループの事業計画(平成28年度)によれば、薬学部が看板の千葉科学大学は年間約3億7000万円、倉敷芸術科学大学は年間約5億円の赤字。いずれも定員割れで採算が取れず、岡山理科大学の黒字(年間約15億円)で埋めている状況だ。2015年からの3年間で日本私立学校振興共済事業団から計52億5000万円を借り入れている。

 今治市に建設中の岡山理科大学獣医学部の新キャンパスは土地を同市から無償譲渡され、さらに施設建設費192億円の半分(96億円)を市からの補助金で賄えるという“厚遇”があるとはいえ、自己負担分の96億円は当面、利益の上がらない先行投資になる。苦しい運営のなかで開学を急ぐのはなぜか。市民団体「今治加計獣医学部を考える会」の黒川敦彦・共同代表がいう。

「注目すべきは、今回の新キャンパスの建築単価が異様に高く見積もられている点です。建設費のうち造成費や設備費を除くと148億円。坪単価は約150万円にのぼります。建物は鉄骨造で、国交省の統計(2016年建築着工統計)によれば同じ構造での相場は坪単価70万円弱。つまり相場の倍以上もする見積もりなのです。同じ国家戦略特区の枠組みを利用した千葉県成田市の国際医療福祉大学は、鉄骨造よりも高くなる鉄筋コンクリート造なのに坪単価は88万円。いかに今治の加計学園が高いかがわかります」

 この今治キャンパス建設の施工監理を担当するのが加計グループのSID創研(建設コンサル)である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン