「グループの建設コンサルを使って建設費を2倍に設定し、その半額分の補助金をもらう。その上で建物を一般的な坪単価で造ることができれば、加計は自己負担なしで校舎を建設できるというわけです」(同前)

 今治市は「施設の設置経費にはグラウンド等の整備費も含まれており、坪単価150万円は割高ではない。支出の段階において経費の明細を審査する」(企画財政部企画課)と回答したが、「市議会に提出された資料によればサッカーグラウンドとテニスコート3面。駐車場も平面で多く見積もっても10億円はしない。相場の2倍という水準は変わらない」(前出・黒川氏)と、疑念は依然残る。

 重要なのは前述の加計学園の借入金52億5000万円の担保が、岡山理大と倉敷芸大の土地と建物になっていることである。倉敷芸大は今治同様、倉敷市から土地を無償譲渡、建設費も補助金を受けている。

 無償で手に入れた土地と巨額の補助金で建てた建物を担保に借入を行ない、また新たなキャンパス建造に乗り出す――加計がなんとしても獣医学部新設を国に認めさせなければならなかったのは、そうした自転車操業で規模拡大していかなければ経営が成り立たない事情があるのではないか。

 加計学園は取材に対し、期日までに回答しなかった。疑惑の闇はまだまだ深い。

※週刊ポスト2017年8月11日号

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