1965年の国交正常化に合わせて締結された日韓請求権協定では、日本が韓国に無償3億ドル、有償2億ドルを供与することにより、「両締結国及び国民の間の請求権に関する問題が(中略)完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」とされており、外交的なルールにおいて問題は明白に解決済みとの立場だ。
しかし、こうした約束を何度も反故にしてきたのが韓国外交の“交渉術”である。日韓問題に詳しい神戸大学大学院教授の木村幹氏はこう語る。
「慰安婦像問題が典型的ですが、韓国では像建設は“ビジネスモデル”になっています。一体建てるだけで日本政府が騒ぎ、それにより韓国政府もリアクションを取り、圧力団体が存在感を増していく。外国公館の前に建てるのであれば、『韓国政府はウィーン条約を守る義務がある』と粛々と冷静に対応するしかない」
その世界共通の「道理」が通じないところが何とも厄介である。
※週刊ポスト2017年8月11日号