◆安倍人形を“連行”
活動の先鞭をつけたのは、韓国の2大労働組合である全国民主労働組合総連盟(民主労総)と韓国労働組合総連盟(韓国労総)が中心をなす「強制徴用労働者像建設推進委員会」だ。
韓国の独立記念日である3月1日、ソウル市内のターミナル駅の一つ、龍山駅前の広場に徴用工像を設置するというものだった。が、この時は広場を管轄する韓国政府が許可を出さなかった。
この時、私はソウルに飛び、民主労総の統一局長である嚴美京(オム・ミキョン)氏を直撃した。
「韓国政府の判断は誤りです。日帝時代の歴史には事実が解明されないままとなっているものがあり、強制徴用の問題はそのひとつなのです。この問題の清算のために私たちは日本による真心のある謝罪を求めています。そのため、8月15日の光復節(韓国の終戦記念日)にもう一度、龍山駅前に像を設置するつもりです」
嚴氏は続けて「真相が究明されれば賠償も求めていく」とも語った。
さらに徴用工とその遺族らが作る「日帝強占期被害者全国連合会」も同様の動きを見せていた。4月末に8月の光復節に向けて、ソウルの日本大使館前に徴用工像を設置することを発表。すでに設置されている慰安婦像と並ぶことになる。先の推進委とは目的が異なると、事務総長の張徳煥氏は語る。