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改良版FITに辛口評論家も驚く「ホンダらしさが戻ってきた」

 今回のフィットは本当に素晴らしいクルマになった。だが、ホンダはこのところ、ずっと実用一点張りのクルマに偏った経営をしてきたため、ホンダの顧客は走りのことなどどうでもよく、安くて燃費が良ければOKという層が中心になってしまっている。せっかくいいクルマに仕上げても、そんなことは関係ない、あるいは気付いてすらもらえないというのでは意味をなさない。

 そもそもクルマの“味”さえよければ売れるのであれば、先に挙げたオデッセイの第4世代モデルやCR-Vの第4世代モデルももっと売れていいはずだった。クルマのコンセプトがかつて独自のホンダファンを形成していたころのようなビビッドさ、洒落感と無縁というのでは、急速に進んだホンダブランドの白物家電イメージを刷新することはできないだろう。

 いいクルマづくりにある程度立ち返ることができた今、ホンダが次にやるべきことは、ホンダがセンス良いと信じるテイストをクルマのコンセプト段階で盛り込むことだろう。

 かつてアメリカでホンダを評するキーワードとしてよく「知的」という単語が使われていた。GM、フォード、トヨタとは違うものが欲しいと考える顧客がホンダを求めていたのである。が、そのアメリカでも今はホンダブランドの立ち位置はすっかり様変わりし、日本と同じように白物家電的な感覚で買われるようになってしまっている。

 それをよしとするか、それともホンダならではの価値を主張する路線をもう一度模索するのか。それを決めるのはホンダ自身だ。

■取材・文/井元康一郎(自動車ジャーナリスト) ※写真提供も

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