ライフ

国産コンビーフ第1号、累計販売数を並べると地球1周半

コンビーフとじゃがいもの炒めもの

 コンビーフは、日本では牛肉の塊を塩漬けにした後、蒸してほぐして調味料などを混ぜたものをいうが、本来は長期航海用や軍需品として使うための、塩漬けにした保存食を指す。

“コンビーフ“は英語の「corned beef」(コーンド・ビーフ)からの外来語。現在、「corn」はとうもろこしのことだが、かつてスコットランドでは穀物全般、一般に粒状のものを指していた。「corned」とは岩塩を砕いた粒状の粗塩で肉を漬けることを意味するため、“コーンド・ビーフ“と呼ばれるようになった。

 国産コンビーフ第1号は「ノザキのコンビーフ」(川商フーズ)。戦後まもない1948年に初の国産コンビーフとして発売された。「ノザキのニューコンミート」と合わせ、2016年までの累計発売数はなんと9億577万個。缶を横に並べると6万3404km、実に地球1周半強に相当する。

 最近では、保存食というよりも、加工肉の1つとしてコンビーフを楽しむ傾向にあり、高級和牛を使った手作りのプレミアムなコンビーフも人気だ。家庭料理研究家の松田美智子さんはこう話す。

「上質でおいしいコンビーフは、冷凍してストックしておくと本当に便利です。生肉ともハムとも違う、独特の風味と味わいは、シンプルにじゃがいもと炒めるだけでもごちそう。肉のうまみと塩気で、調味もほとんど不要です」

 松田さんがつねに冷凍庫に常備しているのは「ハウスメッツガー・ハタ」の和牛100%コンビーフ。

「ゼラチンがいちばん多い和牛の部位を1週間塩漬けして煮込んだ『ハウスメッツガー・ハタ』の和牛コンビーフは、酒肴におかずにサンドイッチにと、とにかく万能。しょっぱすぎないのも気に入っています。手土産にも喜ばれますよ。

 使うときに自然解凍して、適当な大きさに切ってから手でわやわやと丁寧にほぐします。料理全体に絡みやすくなり、塩気が均一に行き渡って口当たりもふんわりします」(松田さん)

◆『コンビーフとじゃがいもの炒めもの』のレシピ

【1】コンビーフ1/2個(約75g)はよくほぐしておく。男爵いも2個は皮をむき、半月の薄切りにして水にさらしてキッチンペーパーで水気を押さえておく。玉ねぎ1/2個は繊維に沿って薄切りにする。

【2】大きめのフライパンににんにくのみじん切り小さじ1、オリーブ油大さじ2を合わせて中火にかける。玉ねぎを入れて炒め、じゃがいもを加えて透き通るまで炒める。

【3】コンビーフを加えてじゃがいもに絡めるように炒める。味をみて、塩、こしょうで調味する。こしょうをしっかり効かせるのがポイント。

撮影/鍋島徳恭

※女性セブン2017年8月24・31日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
熱を帯びる「愛子天皇待望論」、オンライン署名は24才のお誕生日を節目に急増 過去に「愛子天皇は否定していない」と発言している高市早苗首相はどう動くのか 
女性セブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
「台湾有事」よりも先に「尖閣有事」が起きる可能性も(習近平氏/時事通信フォト)
《台湾有事より切迫》日中緊迫のなかで見逃せない「尖閣諸島」情勢 中国が台湾への軍事侵攻を考えるのであれば、「まず尖閣、そして南西諸島を制圧」の事態も視野
週刊ポスト
裁判が進むにつれ山上徹也被告にも徐々に変化があらわれたという(写真/共同通信社)
《引き金を引くことを生きる目的に》山上徹也被告が法廷で初めて感じた“安倍元首相の命を奪った”という強烈なリアリティー 鈴木エイト氏が傍聴席で見た“犯人の実像”
週刊ポスト
ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
今年6月に行われたソウル中心部でのデモの様子(共同通信社)
《韓国・過激なプラカードで反中》「習近平アウト」「中国共産党を拒否せよ!」20〜30代の「愛国青年」が集結する“China Out!デモ”の実態
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン
山上徹也被告が法廷で語った“複雑な心境”とは
「迷惑になるので…」山上徹也被告が事件の直前「自民党と維新の議員」に期日前投票していた理由…語られた安倍元首相への“複雑な感情”【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(時事通信フォト)
《潤滑ジェルや避妊具が押収されて…》バリ島で現地警察に拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26) 撮影スタジオでは19歳の若者らも一緒だった
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! プロ野球「給料ドロボー」ランキングほか
「週刊ポスト」本日発売! プロ野球「給料ドロボー」ランキングほか
NEWSポストセブン