番組ホームページで今年のコンテスト出場校のプロフィールを見ると、実際、遠距離恋愛の彼女にも会えず、ひたすら準備を進めるパイロットもいるらしい。大学チームの場合、「先輩の悔しさを後輩が受け継ぎ、新記録を目指す」というケースが多い。しかし、現場で見ていると、テレビ画面で注目を集めるパイロットの後ろにいるチームの面々の姿にぐっとくるのである。機体制作のため資金面でも力を合わせ、いざ本番となると運搬も大変。当日までに機体を組み上げて整備して、さらにプラットホームに運び上げるのがまた一苦労なのだ。
番組放送時間は2時間だが、収録は1日目が朝7時30分から、2日目が朝6時から。飛ぶのも大変だが、準備するスタッフの大変さも想像以上だ。毎年、プラットホームを設営し、チームとの連絡も密にして、完璧に準備しても台風など天候不順で当日、残念…というケースも過去にはあった。
もちろん、設計図から始まる事前審査も慎重に行われる。今年、初出場の『広島工業大学HIT Sky Project』は、書類審査で14回落ち続けたという。表には出ない(あえて出さない)関係者の下支えがあってのコンテストだと思うと、ますます各チームのフライトが貴重なものだと思えてくる。
どんな素晴らしい記録を出した機体でも、着水したら、バラバラだ。ちょっとはかない感じもこのコンテストの魅力。飛び出した途端、ドボンと落下する機体もまた愛しい。そうそう、『トリガール』の出演者、ひこにゃんの隣に『びっくり日本新記録』でおなじみの轟二郎の名前が! 私同様、この名前にピンときた人は、どんな役で出演するか、確認せずにはいられないはず。実に心憎い配役です。