「どこに再就職するかは個人の自由ですが、新聞社は社会の公器。認可プロセスの検証で問題が出たならば学校に社長経験者が2人もいたままではモラルを問われても仕方がないでしょう。朝日の現役にとっても迷惑な話になると思います」
前出・服部名誉教授は、別の視点からこう話す。
「加計問題では、国家戦略特区の選考過程で行政が歪められたかどうかということばかりに焦点が当たっているが、規制に穴をあけて設置させた大学で、学生の質が保たれるのかについては、検証が十分なされていない。獣医学部や医学部は国家資格が求められる人材を育てる機関である以上、むしろそちらの方がチェックされるべき本質的な問題。朝日は国福大での検証報道に乗り出すべきではないか」
加計疑惑について安倍首相が「李下に冠を正さず」と反省を口にしたことについて、朝日は〈焼き肉、ゴルフ、居酒屋、またゴルフ……。それにしてもいかに頻繁に、冠を正してきたことか〉(7月25日付、天声人語)などと皮肉ってきた。自らに向けられた疑念はどう晴らすのか。
※週刊ポスト2017年9月8日号